六島の行事(No.1) 

 平成12年5月13日(土)に子供たちの行事である「たかのり」が行われました。

たかのりとは虫追い行事のことで、毎年この時期に農作物を荒らす虫退治の行事が行われます。

子供の数が激減した今、六島の子供たちの伝統行事の存続が危機に瀕しています。     

本日快晴、朝6時に宮ノ首(地名)に子供達が全員集合し「たかのり」がはじまります。わらで編んだ船を持つのは、島で最年長の男子と決められています。 海面から数十メートルもある断崖絶壁、ここから、わらで編んだ船が投げ込まれます。下を見るとぞーっとします。

  

スタート直前の集合写真!ここで問題です。この中に婦人会のお母さん方は、何名いるでしょう? 答え方によっては、何かプレゼントがあるも・・・・・ 祈願をこめて...緊張の一瞬です。

「この島から害虫がいなくなりますように・・・」頑張れM君、島の豊作は君の腕にかかっている。

エイッ!! 一気にわら船は海中へ。

いざ出発!

この島の代々から続く、子供たちだけの虫追い行事の始まりです。

(今は、子供が3人と少ないのでお母さん方も参加しています。)

実にお見事! 数十メートルもある断崖から、見事着水!!これで今年も豊作間違いなし。そうして、虫と団子を乗せたわら船は果てしなく続く海原へ流れて行くのであった。
島の子供の最年長の男子がわらで編んだ船を担ぎ、その他の子供は笹を持って野原(地名)まで行進します。

 

その頃、野原(地名)では団子をくわえた鬼さんを捕まえる、鬼ごっこの最中であった。今年の鬼さんはだぁ〜れだ子供達は捕まえやすいお母さん方を鬼にして楽々と追いかけまわす。
野原まで行進する間、「オラベー」(叫べ)の号令のもと「たかのり,たかのり,おんどりゃ,どうどう」(意味不明)と大きな声で叫びます。 サァー!! みんな集まれ!「ダゴ(団子)(を)配るぞ。」「腹へった、はよ食いたか。」(お腹すいたはやく食べたい)

 

途中、わら船に乗せるバッタなどの昆虫を必死になって探します。

Aさん、頑張って探してね!

 

 

まずは神様にダゴをお供えして...”今年も豊作おねがいします。

(*`!`*) 「よしよし、今年も願いをかなえてやろう!」と神様は笑顔で言われています?

この日は昆虫も身の危険を感じたのか、なかなか見つからず苦労しました。捕まえた虫は、逃げ出さないように手足を取ります。少しかわいそうですが、豊作のため... この島のきまりで、年長者からたくさんのダゴを貰えるのです。一番下の子供は最後ですこししか貰えません。

 

 

やっとの思いで昆虫を数匹見つけ

いざ!野原に向かってLET'S GO!

 

 

 

子供たちが配っているダゴとはどんなものでしょう?

それは、小麦と砂糖を水に溶かして混ぜ合わせ、平らなせんべい状にして蒸したものです。食べると甘くておいしです。

朝早く起こされ、少し不機嫌なKさんです。彼女が運んでいるものはみんなが楽しみにしているものです。

答えは後ほどわかります。

 

「先生にもいくらかやるけん」と言われ少し分けて貰いました。

減量中の私は「もっとくれ!」とは言い出せず、グッとがまんするのでした。

 

朝もやをついて、野原へ到着!

いよいよ、この行事の最大の見せ場がおこなわれます。

 

 

すべての行事を終了して、自宅に帰っています。来年、子供がひとりになって.もこの行事は続けて欲しいと思います。