平成11年3月21日付 長崎新聞 地域総合版に掲載

最後の卒業生 小金丸君巣立つ
小値賀小中六島分校

【上五島】小学校と中学校が併設となっている北松小値賀町の小値賀小中学校六島分校(山口三郎校長)で,ただ一人の小学生で六年生小金丸正輝くん(一二)が二十日,同小を卒業した。小金丸君は同中六島分校に進学するが,同小六島分校は児童がいなくなったため休校となる。
 六島は小値賀島の東約四キロにある離島。この日,小金丸君は小値賀島にある本校の卒業式に出席。本校の五十五人と一緒に山口校長から卒業証書を受けた。
 卒業式を前に小金丸君は「ずっと遊び仲間が少なくて寂しかった。中学では新しく授業が始まる英語をがんばりたい」と先輩が三人いる六島分校での中学生活を楽しみにしている。
 正輝君の父親,茂正さん(四三)は「小学生がいなくなるのは本当に残念。あと三年は学校で中学生たちの声がするのを日々の励みにしたい」と話した。